「模範になれる人-愛は寛容・親切-」

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「模範になれる人-愛は寛容・親切-」

チャプレン室 泉川 留美子

「割り当てられている人たちを支配するのではなく、

 むしろ、群れの模範となりなさい。」 ペテロの手紙 第一 5章3節

 

私たちが働くアガペ会では、毎年、新しい職員手帳が配布されます。

その手帳の中に、毎週のみことばとして、聖書のことばが掲載されています。

上記のことばも、手帳に記載されていることばです。

 

私たちは家庭においては親であったり、職場においては、後輩を指導する立場であったり、

何らかのかたちで、私たちに割り当てられている(任されている・委ねられている)

そういう人々があると思います。

 

ペテロはイエス様の弟子の中で、リーダーともいえるような中心的な人物でした。

「死んでもイエス様に従って行く」というほどの決心で

イエス様に同行し、弟子としての訓練を受けていました。

 

ところが、十字架にかけられるためにイエス様が捕らえられたとき、

ペテロのことをイエス様の仲間だと訴える人のことばに恐れをなして、

彼は「絶対に違う。イエス様など知らない」と拒否してしまったのです。

 

イエス様は十字架から三日後に復活されました。

復活されたイエス様は、なんとペテロに現れてくださったのです。

イエス様はペテロの裏切りを知っていました。

しかし、ペテロを全く責めることがありませんでした。

ペテロはイエス様に赦されたこと、変わらず愛してくださったこと。

何よりもペテロを信じて、教会の働きを委ねてくださったことに

大きな慰めを受けたことでしょう。

 

最近、読んだ本に、外国の小さな村のことが紹介されていました。

その村では、「あなたを信じている」という言葉が合い言葉のように使われているそうです。

そんな言葉をかけ合うことのできる関係は素晴らしいと思います。

 

ペテロもイエス様に信じてもらえたからこそ、

のちに大きな働きをすることができたのでしょう。

人を支配することのない神様。最後まで弟子たちに愛を尽くされたイエス様。

復活されたイエス様に会ったことによって、

イエス様を模範として、弟子として再び歩む決心ができたのでしょう。

 

アガペ会の2024年の目標の聖書の言葉は「愛は寛容であり、愛は親切です」。

人を支配するのではなく、「寛容と親切」そんな愛をもって関わることができるなら、

私たちも、人々の模範となれるでしょう。祈っていきたいと思います。