「愛の花が心に咲きますように」

  • チャプレン室「こころのサプリメント」

「愛の花が心に咲きますように」

金 知明(キム ジミョン)

主は私たちの神。主(神)は唯一である。
(聖書:マルコ12章29節)

 

「唯一無二」「かけがえのないもの」それは類を見ない非常に珍しいもので、替えの効かない価値のある貴重なものです。「私にとって、あなたはかけがえのない大切な存在です。」と言われると、それだけで嬉しくなります。やっとの思いで見つけ出した宝物のように嬉しくなるのです。そんな価値を決める “基準” はどこにあるのだろうと思いました。「めったに見れないものは価値が高くて、よく見るもの低い?」「なかなか手に届かないものは価値が高くて、いつでも近くにあるものは価値が低い?」「その本質や存在自体の素晴らしさ、良さ?」

 

同じ毎日のように思えても、今日という日は人生にたった一度しか訪れません。これも、かけがえなく大切で価値ある時間です。代わりがあっても、そのものにしか出来ないことがあります。いくらでも代わりのいる存在ではなく、私も誰かにとってかけがえのない存在になりたい。私にしか出来ない気配りがあり、私ならではの優しさがあるはずだから。そんなことを考えながら、今日も “100回の建前より1回の真心” で自分を愛し、誰かを愛そうと思うのです。

 

他と比べようのない唯一という基準。それは私たちの経験や知識からではなく、人を造られた神様からのものです。神様は唯一の方であり、その神様に造られた私たち一人一人もまた、唯一の存在です。そこに流れる愛や優しさはかけがえのないものです。

 

高校生の頃、朝の支度をしながらTVの星座占いをよく見ていました。「今日1位の星座が、今日の私の星座」と楽観的に楽しんでいました。ラッキー、幸せなことだけを追い求めるその先には、不幸なことは目を覆い向き合おうとしない“幸せありきの自分”がいました。何かを信じ貫くことは御利益第一ではありません。目先の損得勘定だけで進む人生は、嵐が訪れると簡単に吹き飛ばされてしまいます。しかし逆境を乗り越え、深みのある人生には感動が伴います。人が不幸だと思う出来事を通してまでも、神様は私たちの心を成熟させてくださいます。

 

自分の考えよりも大切ですが、周りの思いを汲み取り、相手を尊重しながら愛によって物事を進めるとき、愛には “いのち” があることに気付かされます。神は愛です。愛のことばは心に “いのち” を与えます。素敵でかけがえのない神様の愛を心に感じながら、誰かの今日に素敵な花が咲くように、今日も優しく寄り添いたいと思います。価値のある唯一の愛に支えられて、誰かにとってかけがえのない存在になりたいと思うのです。