「小さなことに忠実な人」

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「小さなことに忠実な人」

チャプレン室 長濱 カンナ

最も小さなことに忠実な人は、大きなことにも忠実です。(ルカの福音書16:10)

 

イエス・キリストはたとえ話をなさいました。

ある金持ちに財産の管理を任せていた管理人がいました。

この管理人は、無駄にお金を使用していたことを主人に知られてしまいます。

管理人のとった行動は、主人の債務者一人一人に証文の金額を元よりも安く書き直しをさせ負債を軽くすることでした。

 

イエス・キリストは、この管理人を褒めておっしゃいました。

「不正の富で、自分のために、友をつくりなさい。そうすれば、富がなくなったとき、彼らがあなたがたを永遠の住まいに迎えてくれます。」

その後に続くことばが冒頭のことばです。

 

聖書では愛の大切さを教えますが、生きていくためにはお金は必要であり、この世にあっては生きるための道具、手段と言えます。

愛で友との絆を結び、互いに生かし合う道具、手段としてこの世の富であるお金を用いることも必要なのです。

 

ですから、この世の富よりも神様を信じて得る恵み、祝福、心の豊かさの方が最も価値があるのです。

ただし、この世において富を得ることを禁じているわけではないことを押さえておきましょう。

むしろ、神様の目から見て他者のために貢献し、絆を深め、良いことを目的とするなら、この世の富を用いても良いのです。

 

大切なことは、私たちがどんなに偉大なことを成したとしても、神様にとっての関心は、他者のために心遣い、まじめに真心をもって仕えているかどうかです。

その忠実さによって、他者との信頼関係が築かれるからなのです。

それこそ、イエス・キリストがおっしゃる「大きなことに忠実」につながるのです。