「より大切なもの、価値あるもの」
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「より大切なもの、価値あるもの」
チャプレン室 田中 歩美
「空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。
けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。
あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。
あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。
なぜ着物のことで心配するのですか。
野のゆりがどうして育つのか、よくわきまえなさい。働きもせず、紡ぎもしません。
きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。
そういうわけだから、何を食べるか、何を飲むか、何を着るか、などと言って心配するのはやめなさい。
あなたがたの天の父は、それがみなあなたがたに必要であることを知っておられます。
だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。
そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。」
(聖書 マタイの福音書6章26節~32節)
この言葉は、神の子イエス・キリストがおっしゃった教えです。
私達の意識は普段どのようなことに向いているでしょうか。
飲食物や衣服は必要なものではありますが、過剰に「何を食べようか、何を飲もうか、何を着ようか」と考え始めると、必要以上に求めたり、足りなくなった時の不安や心配が出て、それらを確保するために時間を使うようになります。
しかし、イエス様は、「あなたがたの天の父である神様は、それらがあなたがたに必要なものであると知っているし、また必要を与えてくださるから、心配するのはやめなさい」と教えられたのです。
そして、衣食より価値あるもの、大切なものとして「神の国とその義」を挙げられました。
神の国とは、心と心がつながりあう世界のことです。
神の義とは、相手の必要を満たし、相手にふさわしいことをすることです。
相手のために生き、相手の必要を満たす、愛の世界です。
お互いのために生きることに意識が向かないと、人は自分のために生きます。
自分の幸せのためだけに時間を使うようになると、必要を満たしてもらなかった人は、怒りや不信感が出てきます。
夫婦であれば、必要を満たしてくれない相手と、幸せな関係を続けていくのは難しくなるでしょう。
神様は全員が幸せに生きられる、つながりの世界をつくりたいと願っておられます。
神様と共に愛の世界をつくることができるのは、私達人間だけです。
ですからイエス様が教えてくださったように、私達もそれぞれ神様から与えられている人生を、より大切なもの、価値あるものの「神の国とその義」を求めていきたいと願います。
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