「困難を乗り越えていくために」

チャプレン室　田中 歩美

 

皆様は自分を支えてくれる人、もしくは支えとなる言葉はあるでしょうか？

支えとなる人や言葉によって、困難を乗り越えていったことがあるでしょうか？

 

旧約聖書ではイスラエルの歴史が詳細に記録されておりますが、その歩みは困難や苦難の連続でした。

エジプトでは400年の奴隷生活を送り、その後指導者モーセによって解放されますが、その直後には荒野で40年の旅が待っていました。

水もない食物もない、荒涼とした地での生活は、多くの困難や難しい状況もあったでしょう。

そのようなイスラエルの民にとって支えとなるのは、神様の存在であり、神様への信仰でした。

 

聖書には、イスラエルの祭司として活躍したアロンとその子孫が、神様からの言葉を受けて、民を祝福する場面が出てきます。

主（神）はモーセに告げて仰せられた。

「アロンとその子らに告げて言え。

あなたがたはイスラエル人をこのように祝福して言いなさい。

『主があなたを祝福し、あなたを守られますように。

主が御顔をあなたに照らし、あなたを恵まれますように。

主が御顔をあなたに向け、あなたに平安を与えられますように。』」

（聖書　民数記6章22～26節）

 

イスラエルの民が困難な荒野での旅路を乗り越えていけるように、そのために必要なこととして、神様は信仰に立って生きることを教えてくださいました。

民が「神様は、私達を祝福し、守る方である。御顔を照らし、恵まれる方である。御顔を向け、平安を与える方である」ことに立ち返り、それを覚えるように、指導者達は絶えず祝福を告げたのです。

 

私達は与えられる言葉によって、心が整えられることがあります。

その言葉に対して、「本当にその通りだ。（アーメン）」と応えていくことによって、その言葉が実現していきます。

事実イスラエルは、神様の与えてくださる言葉によって心が整えられ、その言葉を受け取ることで祝福され、彼らは荒野での旅を終えて、自分達の国を建て上げていったのです。