「全き愛」

  • チャプレン室「こころのサプリメント」

「全き愛」

チャプレン室 田中 歩美

 

「愛」について、古代ギリシャでは4つの意味と言葉に分けていました。

 

エロス【恋愛】……求める愛

フィリア【友愛】……同等の愛

ストルゲー【家族愛】……血縁に基づいた愛

アガペー【神の愛】……無償の愛、無条件の愛

 

4つの愛の中でも、彼らは特に、神様の愛が私たちの愛とは別格であり、次元の高い愛だと捉えていたのです。

実際、私たちの愛には限界があります。

親友との疎遠、家族の分裂、夫婦の離婚など、私たちの愛は変わりやすく移ろいやすいものです。

またそこには、相手が自分にとってどのくらい都合が良いか、ということで愛情の深さが変わる、自己中心的な思いが潜んでいることも多いのです。

 

そのような私たちに対し、無償の愛、無条件の愛をもって近づいてくださったのが神様でした。

神様は私たちがどのような状態であっても、それによって態度を変えることもなく、どこまでも寛容をもって受け入れてくださいました。

神様の変わることのない永遠の愛、無償の無条件の愛によって、私たちは全き愛を知ることができるのです。

 

聖書には「全き愛」について、次のように書かれています。

「神は愛です。

神のうちにとどまる人は神のうちにとどまり、神もその人のうちにとどまっておられます。

こうして、愛が私たちにあって全うされました。

愛には恐れがありません。

全き愛は恐れを締め出します。」(ヨハネの手紙第一4章16~18節)

 

神様の全き愛、確かな愛を確信した時、私たちの心は満たされ、平安が生じます。

平安が生じると、恐怖が消えてゆき、心の恐れが締め出されていくのです。

私たちはこの素晴らしい神様の愛の中で生かされています。