「光の射すところ」

  • チャプレン室「こころのサプリメント」

「光の射すところ」

チャプレン室 瑞慶山 真

夜勤をしていた頃の私は

色や線が浮かび上がってくる夜明けが好きでした。

 

窓の外の世界の色や線が

静かに ゆっくり

それでいて はっきりと浮かび上がってくる光景でした。

「もうひと踏ん張り」と自分に言い聞かせながらも

安堵に包まれ 優しい気持ちが溢れていたのを今でも覚えています。

 

光が射して照らされなければ

そんな光景もしっかり見ることはできなかったと思います。

 

私たちの心の内も同じです。

聖書のことばのような光が射さなければ

大事なこともおぼろげに見てしまったり

偽りが紛れ込んでも

気づかないままにしてしまうのかもしれません。

 

人は心の内に光が保たれることで

何が善であり、悪なのかを分別できるようになります。

 

何をすれば周りの必要に応え みなの喜びになるかを考え

それを選びとることが出来るようになります。

相手の心にも 光を届けることができます。

光の内に闇が存在できないように

悪い思いも消えてなくなるのです。

 

そのことを体験的に知る機会になったので

いつまでも忘れずにいるのです。

 

周りの方々をそれぞれに相応しく愛するために

心が整えられることは大切なことです。

そのような心の窓から見える世界は

美しく明るいものです。

その光景は輝いてさえいるのです。

 

愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れないようにしなさい。

(ローマ人への手紙 12章9節)