「死後の世界」

チャプレン室　田中 歩美

私の友人は、小さい頃に「死んだらどうなるのだろう？」と思い、死の不安と恐怖で眠れない夜を過ごしたことがあったそうです。

死を経験してこの世界に戻ってきた人が身近にいませんから、当然ながら、死の体験談を聞くことができません。

なのに誰もが通る道ですので、余計に不安や恐怖が増します。

「死んだらどうなるの？」

「死後の世界はあるの？」

「全てが無になるの？」

誰もが一度は問うたことがあるのではないでしょうか。

その疑問に対して、イエス・キリストは明確に答えています。

「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。

わたしの父の家には、住まいがたくさんあります。もしなかったら、あなたがたに言っておいたでしょう。あなたがたのために、わたしは場所を備えに行くのです。

わたしが行って、あなたがたに場所を備えたら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。わたしのいる所に、あなたがたをもおらせるためです。」（ヨハネの福音書14章1～3節）

この時、イエス・キリストは十字架の死を目前にしていました。

しかし、イエス様は死の向こうにある世界を見ていたのです。

死は終わりではなく、天の父なる神様の家に行くこと、そして、そこには住む所がたくさんある、とおっしゃっています。

またイエス様は、私達のために場所を用意し、準備が整ったら、自分と一緒にいることができるように迎えに行く、とおっしゃっているのです。

死は全ての終わりでもなく、また無でもないのです。

死は一人孤独に受け入れるものではなく、迎えに来てくださるイエス様が一緒にいてくださるのです。

またその先には、私達のために住まいを用意し、場所を用意してくださる、神様が待っておられます。

そのことを信じる時、私達は心を騒がすことをやめ、平安をもって過ごすことができるようになるのです。