こころのサプリメント「神様のみこころがこの身になりますように」

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こころのサプリメント「神様のみこころがこの身になりますように」

チャプレン 泉川 留美子

私はいろいろな歌が好きです。

子どもの頃、「歌を覚えるように勉強も覚えなさい」と

担任に注意を受けるほど、

暇さえあれば、いつでも、どこでも歌っていました。

クリスチャンになってからは、

クリスマスの讃美歌を、年中、歌っていたいほど好きになりました。

 

教会に通いはじめた初めてのクリスマスに

クリスマス・キャロリングに参加しました。

あいにくの大雨でずぶぬれになり、寒さにふるえながら、

嘉手納町・読谷村のあちらこちらでクリスマスの讃美歌を歌って歩いたことが、

いつまでも忘れることのできない思い出となりました。

 

ずぶぬれになり、寒さにふるえながら、

それでもみな、喜びながら讃美歌を歌っていたのです。

クリスチャンでない人には、不思議な光景だったことでしょう。

 

クリスマスの讃美歌に、天使から「受胎告知」を受けたマリアが

神様を讃えたことば(マグニフィカト)が歌詞になったものがあります。

そのマグニフィカトの前には

「神様のおことばどおり、この身になりますように」というマリアのことばがあり、

このことばが「Let it be レット・イット・ビー」なのです。

 

ビートルズの歌の「Let it be レット・イット・ビー」の歌詞に

When I find myself in times of trouble 僕が苦難の時
Mother Mary comes to me 聖母マリアが現れ
Speaking words of wisdom 知恵を授けてくれる
Let it be 「あるがままを受け入れなさい」と。

 

多くの方々は、この歌詞がクリスマスと関係があると知らないことでしょう。

ビートルズの歌詞は「あるがままに」と訳されるようですが、

実は、イエス様の母マリアが発したことばがモチーフになっています。

(自分のお母さんマリアがかけたことばと

キリストの母マリアのことばを重ねたとも言われています)

 

Then Mary said, “Behold the maidservant of the Lord!

マリヤは言った。「ほんとうに、私は主のはしためです。

Let it be to me according to your word.”

どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように。」

(ルカの福音書1章38節 New King James Version)

 

処女でありながら、身ごもって男の子を産む、という天使のことばに

「おことばどおりに、この身に」神様のご計画が実現しますように

と発したことばが「Let it be レット・イット・ビー」なのです。

神様に対して全幅の信頼がなければ、発することのできないことばです。

 

振り返って考えてみると、雨にぬれても、寒さに震えても、

(私はまだ教会に通いはじめたばかりでしたが)

クリスチャンの皆さんは、神様の愛の大きさと

マリアにならって「この身になりますように」というような気持ちで

クリスマスの讃美歌を歌っていたのだろう、と思えるのです。

 

クリスマスを迎えるのは楽しみです。

プレゼントを準備し、ツリーを飾り、胸躍ることでしょう。

しかし、クリスマスに何より大切なことは心の準備でしょう。

マリアを通して、私たちのために、救い主がおくられたこと。

この救い主イエス・キリストは、

私たちのために罪を赦し、永遠のいのちへの道を開いてくださる方です。

このことを心にとめながら、

喜びあふれるクリスマスを過ごしたいものです。

 

マリアが信じられないことが自分の身に起ころうとも

「(神様のみこころだけが)なりますように「Let it be」」ということができたように、

私たちの人生にも「まさか」と思うような出来事が起こることもあるでしょう。

神様のみこころだけがなると信じて生きていけたら、

大雨でも、嵐でも、人生にどんな困難が起こっても

平安な心で生きていけることでしょう。