こころのサプリメント「誰のための自分?」
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こころのサプリメント「誰のための自分?」
チャプレン室 田中 歩美
昨年6月、教会で結婚式がありました。
コロナが収まっていないため、限られた人数で行いましたが、新郎さんも新婦さんもとても幸せそうで、私たちも幸せのお裾分けを頂きました。
神様の前で誓いを行い、結婚指輪をはめて正式に夫婦となった二人に、牧師先生がメッセージをします。
「夫として、妻としての幸せは、一人では得ることができません。
夫としての幸せが欲しいと思ったら、そこには夫を幸せにしようとする妻が必要です。
同じように、妻としての幸せが欲しいと思ったら、妻を幸せにしようとする夫がいないといけません。
夫婦というのは、お互いのために存在するもので、お互いがお互いのために生きることによって幸せな夫婦になります」というメッセージでした。
夫婦に限らず、私たちはそれぞれ、誰かのための自分、があります。
しかし、自分のための自分、という考えもあります。
伴侶がいても、子どもがいても、「自分は家族のためにいるのではない。私は私のやりたいことをする」という人は、周囲の方々を悲しませるのではないでしょうか。
聖書の中に、悪霊につかれている娘を抱えている女性が登場します。
彼女は、イエス・キリストが様々な病を治していることを知り、助けを求めに行きます。
ところが彼女は、当時弟子たちユダヤ人が関わりを持たなかった民族の出身でした。
そのため、弟子たちは彼女を追い返そうとします。
しかし彼女も必死です。
大切な娘のために、イエス様に助けを求め続けます。
その姿を見て、イエス様はこうおっしゃいました。
「あなたの信仰は立派です。その願いどおりになるように。」(マタイの福音書15章28節)
そして彼女の娘は癒されました。
女性は親として、娘のための自分、という位置に立っていました。
ですから娘のために治る方法を懸命に探し、イエス様の存在を知ると、必死に助けを求めたのです。
このように娘のために心を尽くす母親の姿に、イエス様も「立派だ」とおっしゃいました。
私たちもそれぞれ誰かのために存在しています。
あなたの存在を必要としている方がいます。
その大切な方々のために心を尽くしていくことで、幸せな関係、そして祝福が広がっていきます。
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